ビジネスモデルの教科書: 経営戦略を見る目と考える力を養う

本日読了。

良書。辞書的であるが、よくまとまっている。<事業レベル>
エスタブリッシュメントのモデル(防衛)と挑戦者のモデル(攻撃)、プロダクトライフサイクル前半のモデルと後半のモデルがある。
1,地域ドミナント: 競合が入る余地がないほど高密度に出店し、その地域の顧客の総取りを目指しつつ、配送などの業務効率を向上させる。<防>
2.クリームスキミング: 高い需要密度が見込める市場セグメントにのみ集中して展開し、業務効率を高めつつ、価格を下げることで更なる需要を取り込む。<挑>
3.特定市場の支配: 特定の製品・サービス市場で圧倒的シェアを獲得し、安定的な優位を獲得する。<防>
4.グローバル化: 海外、特に新興国市場で販売し、業務活動や経営資源をグローバルで最適化させる。<防>
5.顧客ライフサイクルマネジメント: 顧客の成長に伴うニーズ、好み、可処分額の変化に沿って提供価値のラインナップを揃え、高額・高利益な製品・サービスに誘導する。
6.顧客の購買代理: 卸・小売が、顧客の利益のために行動することで顧客との安定的な関係を構築する。
7.プラットフォーム: 自社の仕組み上で顧客同士のインタラクションを促し、他の顧客の存在自体を魅力として顧客獲得の好循環を招く。
8.ソリューション: モノや単純サービスの販売から、それを使った顧客の課題解決へと提供価値を変更し、売上と利益の拡大を図る。
9.同質化: 市場で1位の企業が2位以下の企業の差別性を模倣することで差別性をつぶし、体力勝負に持ち込んで地位の逆転を防ぐ。<防>
10.アンバンドリング: 一体として販売していたモノやサービスを分解し、顧客の欲する部分のみを販売することで顧客受容性と業務効率を高める。<挑>
11.デファクトスタンダード: 自社製品を事実上の業界標準とすることで安定的需要を確保し、コストや事業リスクを抑える。<防>
12.ブルーオーシャン: 従来の提供価値の組合せに修正を加え新たな市場を創出し、市場を独占する。<挑>
13.レーザーブレード: 最初に購入される製品を安価にして購買を促し、消耗品や保守サービスなどで継続的に利益を上げる。
14.フリー: 一部の価値提供を無料として集客し、その周辺の有償取引によって利益を上げる。
15.敵の収益源の破壊: 敵が優位であり、自社のメイン収益源ではない市場を破壊し、競合を弱体化させる。<挑>
16.チャネル関係性の利用: チャネルの持つ最終顧客との関係性を、自社製品の販売に活用する。
17.ダイレクト: チャネルをスキップして最終顧客に直接販売し、値引きやカスタマイゼーションを提供する。<挑>
18.サプライチェーン種別の変更: 競合や業界標準とは異なるサプライチェーン方式を採用し、リードタイムやカスタマイズ、価格の組合せで差別化する。<挑>
19.機能外販: 自社の機能のうち他社よりも優れた機能を他の企業に外販し、そこでの優位性を自社事業にフィードバックする。
20.リソース先制: 有限な経営資源を先に抱え込み、競合の参入を防ぐ、もしくは競合が劣った資源しか確保できないようにする。<防>
21.マクドナルド化: 提供価値をプロセス化あるいは機械化し、リソース単価を切り下げて低価格化することで下層の巨大市場を狙う。<挑>
22.提携先のレバレッジ: 経営資源やノウハウがなく事業の開始時や競争に耐えられないときに、これらを持つ他社と提携する。<挑>
23.強者連合: 業界上位同士が技術相互供与や製品の共通化で提携し、業界他社に打撃を与え、競争優位を維持する。<防><コーポレートレベル>
24.資源再配分の加速: ライフサイクル後半の事業からライフサイクル前半の事業へ経営資源を移行することで価値創造を最大化&加速させる。
25.同業との統合: 同業の事業を営む他社を買収・合併し、事業規模とシェアを拡大させ、規模の経済によるメリットを享受する。
26.周辺産業との統合: 顧客に対して同時に提供される製品やサービスを扱う周辺産業の事業を統合することで価値を作り出す。
27.ブランド買収・再生: 同種の複数ブランドを傘下におさめることで、単体では出せない規模の経済を獲得する。
28.川下への進出: 従来のビジネスの川下の企業を買収することで大きな売上げと粗利を獲得する。
29.川上統合によるブラックボックス化: ビジネスの川上にある部品や製造装置の事業を統合し競合への供給を遮断することで優位を築く。
30.中立性・専属性のマネジメント: 顧客に対する中立性や専属性を守るために統合できない2つ以上の事業を持株会社の傘下に置くことで収益の機会を増やす。
31.レバレッジドバイアウト: 他社からの借り入れで企業を買収し、その企業の利益で借り入れを返済して価値を作り出す手法。