第1部読了。
800ページの大作。MBAっぽいフレームワークではなく、経営学Ph.D向けのシラバスで使われている経営理論をまとめている。
まずは第1部の「経済学ディシプリン」200ページ。
- SCP理論 = 独占に近づけると利益が得やすくなる→応用: 差別化戦略、ネットワーク効果→限界: ハイパーコンペティション時代、非合理な意思決定
- RBV = 価値があり希少なリソースは競争優位の源泉
- 競争の型と戦略のタイプの整合性 - IO型とSCP、チェンバレン型とRBV、シュンペーター型とイノベーション
- アドバースセレクション問題 = 虚偽表示するプレーヤーが市場に残りやすい→対処: スクリーニング(顧客に選択させて私的情報に応じた対応をさせる)とシグナリング(学歴や公的認証などを示す)
- エージェンシー理論 = 経済主体と代理人との間で目的不一致や情報非対称性のため、契約後にモラルハザードを起こす→例: 保険会社と契約者、企業と従業員、株主と経営者→対処: モニタリングとインセンティブ
- 取引費用理論(TCE)= 取引コストが高いリソースは内製化、不測事態の予見不可能性・取引の複雑性・資産特殊性が高いまると取引コストが高くなる→例: 新興市場への進出は取引コストが高いため、スポット輸出ではなく合弁・買収・子会社設立などが合理的、ITの進展で世界的な取引コスト低下が進みボーングローバル企業発生やコングロマリット解体圧力が高まる
- ゲーム理論→例:増産するしないを決めるクルーノー競争、価格を下げる下げないを決めるベルトラン競争、ベルトラン競争は価格下げ合いというパラドックスになりやすくそれを避ける戦略がいくつかある
- リアルオプション理論 = 不確実な市場にはリーンに投資する