正しいものを正しくつくる プロダクトをつくるとはどういうことなのか、あるいはアジャイルのその先について

昨日読了。 

良書。狭義のアジャイル開発を超えて、アジャイルなものづくりを広く捉えている。

プロダクト作りは、多様性と不確実性のために苦戦する。不確実性に向き合うアプローチとして生まれたのがアジャイル開発だが、それだけでは不十分。

これまでの対応。要件定義。合意を重視。合意形成を重視。

アジャイル開発の4つの価値(アジャイル宣言)、12の原則。スクラムは経験主義。スクラムの3つのコンセプト(透明性、検査、適応)、5つの価値基準(確約、勇気、集中、公開、尊敬)。スクラムチームには3つのロール(開発チーム、プロダクトオーナー、スクラムマスター)、4つのスクラムイベント(スプリントランニング、デイリースクラム、スプリントレビュー、スプリントレトロスペクティブ)、3つの成果物(プロダクトバックログ、スプリントバックログ、インクリメント)。ゴールデンサークル(Why→How→What)とWhyを考える取り掛かりとしての「アジャイルに作る9つの意義」。

不確実性に対応して正しくつくるには。ミッションの共通理解を得るインセプションデッキ。余白の戦略。スプリント強度を高める戦術の5つの条件、受入条件を定義、ぺろシティを計測し安定させる、受入テストを実施、ふりかえりを実施、実運用相当のデータが揃っている。

アジャイル開発の2つの壁、取り組みの困難さ、プロダクトオーナーと開発チームのミッションの境界線。プロダクトオーナーに期待される役割と知識、なぜこのプロダクトを作るのか(ビジョン、ミッション、コンセプト)、プロダクトの世界観を実現するために何を揃えるのか(要求、インタフェース、ビジネスモデル)、プロダクトを形にするために必要な運用スキルと知識(ソフトウェア開発の基本、プロダクトバックログの管理方法、受入テストの実施とテスト結果の活用、ユーザーテストによるフィードバック取得、プロジェクトマネジメント、コミニュケーション設計)。ミッションの境界線とは、作ると作らないの境界、アウトプットとアウトカムの境界。境界を超えるには、チームとして共通基準が必要。

共通基準=仮説検証。正しくないものをつくらない3つの選択、何のために、何が必要か、どうやって実現するか。これ以上の仮説検証にはユーザー体験が必要となったらMVP開発へと進む。仮説キャンパスとユーザー行動フロー。

これらにチームの多様性で対応し、チームが一人の人間のような状態に近づく。役割を中心とした調整によるプロダクト作りから、問いと向き合い続ける共創によるプロダクト作りへ。