昨日読了。
経営学の論文の「良し悪し」の判断方法を、興味深いテーマの実論文をケーススタディすることを通じて学び、自分で書く論文をなるべく良いものにする方法を体得する、早稲田大学ビジネススクールの講義を書き起こした本。
講義としては良質だが、書籍としてはどうか。方法論を学ぶためであれば、本書では触りしか述べておらず、むしろ本書の中でも紹介している参考書籍である「「原因と結果」の経済学―――データから真実を見抜く思考法 - nakorakeの日記」「データ分析の力 因果関係に迫る思考法 - nakorakeの日記」などを読むほうがよい。また、意外なビジネスノウハウを学ぶためであれば、本書は、方法論軸でケースを紹介しているためわかりにくく、「ビジネススクールでは学べない 世界最先端の経営学 - nakorakeの日記」「世界標準の経営理論 - nakorakeの日記」など、ノウハウ軸で書き起こしたものを読む方が良い。結果的に、本書は、どっちつかずの中途半端な本になってしまっている。