量子物理学の発見 ヒッグス粒子の先までの物語

本日読了。

量子物理学の発見 ヒッグス粒子の先までの物語

量子物理学の発見 ヒッグス粒子の先までの物語

青木薫翻訳の本は相変わらず面白い。本書は、米フェルミ研究所で実験物理学を牽引するレーダーマンらによる、素粒子物理学の旅路の物語。CERN(SERNではない)のLHCによるヒッグス粒子発見を1つのマイルストーンとして、大統一理論でも説明できない数多くの現象が今後解き明かされて行く。CERNのめざす高エネルギーフロンティアとは別に、フェルミ研究所は大強度フロンティア(膨大なデータをもとに稀な現象をとらえる)という別のアプローチをとっている。
また、加速器は顕微鏡、基礎科学への投資がいかに人類を発展させるか、など、筆者らは科学の啓蒙に関しても精力的に活動している。顕微鏡にたとえると、高エネルギーフロンティアは倍率の向上、大強度フロンティアは大量実験によるヒッグデータ解析、となるのかも。