量子コンピュータが人工知能を加速する

先日読了。

量子コンピュータが人工知能を加速する

量子コンピュータが人工知能を加速する

面白い。量子アニーリング(焼きなまし)方式という量子コンピューターの最新トレンドについて、量子アニーリングの理論を最初に提唱した日本人科学者自らが解説する。地形図のような連続的3次元模型の上にビーズをたくさんばらまき、全体を強く揺すってだんだんと動きを小さくしていくと、もっとも低いところにビーズが集まっていくようなものが、焼きなましによる機械学習方式である。ただし極小だが最小ではない解が得られる場合もある。それを量子を使って実行すると、量子トンネル効果により、最適解をより早くより正確に得られることができる。最適解を得るための「地形」に相当する制約条件を予め決めて実行する問題のほか、制約条件と最適解の大量の組み合わせをもとに、制約条件そのものを学習させる問題などにも応用可能である。
量子アニーリング方式を使って実際のコンピュータを作ったD-Wave社の動き、理論と実践が組み合わさってビジネスを作る力がある米国に対して、日本はどうすべきか、など、話題は豊富。