数学ガール/ポアンカレ予想

先日読了。

数学ガールシリーズの魅力は、有名・最新の数学問題について、その意味と解き方の流れを理解させるために、少しずつ基礎的(高校〜大学学部レベル)な数学を道具として理解させていく、という構成にある。今回はポアンカレ予想。さすがに解き方の流れを伝えるのは難しかったようで、入り口の概念となるフーリエの熱方程式を解くところまでであった。
それに向けて、位相空間、同相、非ユークリッド幾何学ホモトピー群、基本群、微分方程式ラプラス積分フーリエ展開などを学ぶ。
球面三角形の面積の公式: △ABC=R^2*(角A+角B+角C-π)は、Rが無限大になると平面の三角形の内角の和の公式になる。また、球面上の大円を考えることで、初等的な解法がある。

フーリエ展開の公式を変形することで、バーゼル問題ζ(2)が解ける。
「たとえば、x^2のフーリエ展開から、テトラが言葉を失って椅子から立ち上がるような事実を導くこともできるが」我らが<<饒舌才媛>>は眼鏡に指を触れながら言った。
「ミルカさん・・・さすがにそれは大げさです。最近のあたしはそんなにバタバタしていません!」
「では、試してみよう」とミルカさんは言った。
・・・・
「さあテトラ。これは何?」
「!!!!!!!」
テトラちゃんは、声にならない声を上げ、いきなり立ち上がった。