【ITIL4公認】ITIL 4の基本 図解と実践

本日読了。

良書。アクセンチュアっぽい主張も織り交ぜて、ITIL4がだいたい理解できる。

  • ITILv2は品質と効率に、ITILv3はビジネス整合性に、ITILv4は柔軟性にフォーカスする。サービスマネジメントのスコープを業務部門やITバックオフィス含めた組織全体に広げる、SVS(サービスバリューシステム)・SVC(サービスバリューチェーン)・バリューストリームの概念により柔軟に活動を定義、価値共創としてエンドユーザが有益だと感じることを業務部門とともに実現する。
  • SVSは、機会・需要をもとに価値を作り出す。1) 従うべき原則、価値に着目する、現状から始める、フィードバックをもとに反復して進化する、協働し可能性を高める,包括的に考えて取り組む、シンプルで実践的にする、最適化して自動化する。2) ガバナンス、基準をつくる、基準の遵守状況を客観的に評価するための仕組みをつくる、組織内に認知と定着化を図る。3) SVC、Howを統制する。4) プラクティス、個々のプロセス。5) 継続的改善、ビジョンをもとにPDCAやOODAをまわす。
  • SVCは、需要をもとに製品やサービスにより価値を提供する。1) エンゲージ、2) 取得/構築、3) 設計および移行、4) 提供およびサポート、5) 計画、6) 改善。
  • マネジメントプラクティスは、サービスマネジメント(17種)、一般的マネジメント(14種)、技術的マネジメント(3種)に分類される。それぞれよくある課題とベストプラクティス例が提供されている。
  • 変更実現では、標準的な変更、通常の変更、緊急の変更に分類し、リスクの少ない標準的な繰り返し作業は承認手続きを簡素化し、通常の変更の際には変更諮問会議(CAB: Change Advisory Board)が行われ、緊急の変更の際は緊急変更諮問会議(ECAB: Emergency Change Advisory Board)を行う。通常の変更もリスクベースで自動承認を組み合わせると競争力強化できる。
  • モニタリングおよびイベント管理では、ユーザ目線でのオブザーバビリティを推奨。
  • リリース管理では、ウォークスルー〜リハーサル〜本番移行の3ステップを推奨。
  • サービス構成管理では、CMDBの利用を推奨。CMDBは活用シナリオを設計するとともに、自動的に最新情報を取得するディスカバリ機能が重要。
  • サービス継続性管理はBCP
  • サービスデスクは、Lv0(デジタルを活用した自己解決)、Lv1(メール、チャット、電話)、Lv1.5(サポートチームによるリモート解決)、Lv2(オンサイト対応)の4段階。
  • サービスレベル管理におけるKPIは、実現可能性×組織への影響により、高×高を優先管理対象、高×低を戦術的管理対象(現場品質管理向け)、低×高を予備管理対象(重要だが観測や実現が難しいため将来の候補)、低×低を廃止管理対象、とする。
  • 一般的マネジメントの測定および報告では、CSFを定義してそのためのKPI(SLAまたはKGI)をいくつか規定することを推奨。
  • 技術的マネジメントのインフラストラクチャおよびプラットフォーム管理では、SREに言及。なおアクセンチュアではSREの定義を拡大した「Service Reliability Engineering」を提唱しており、サービス全体を安定化する技術の総称としている。
  • 技術的マネジメントのソフトウェア開発および管理では、アジャイル開発、マイクロサービス、DevOpsに言及。
  • COBIT/CMMI、IT4IT、DevOps、PMBOK、BABOKなどと併用することで、より専門的なプラクティスを得られ、効果を高められる。