入門 組織開発~活き活きと働ける職場をつくる~

本日読了。

良書。組織開発を学ぶ際の最初の一冊。

  • 課題。生き生きとできない社員(内発的動機づけが不足、X理論の上司)、利益偏重主義(数値目標だけ伝える認知的ケチ)、個業化(コミュニケーションは上司とだけ、会議も報告と指示)、多様性の増大。
  • 組織開発。Organization Development。Oはひとまとまりのシステム、Dは開発というよりも発達・発展・成長。組織内の当事者が自ら組織をよくしていくことに取り組むことが大切。開発の語源は開發(=開き發せしめる、自らの仏となる性質を開きおこしまことの道理を悟る)。
  • コンテントとプロセス。コンテントはWhat(話題、課題、仕事の内容)、プロセスはHow(関係的過程、お互いの間で起こっていること)。ヒューマンプロセスが成果に影響する。関係性は投資しないと目減りする。
  • 診断型組織開発と対話型組織開発。前者は診断フェーズでOD実践者が調査して現状を把握する。後者は当事者が対話を通して現状を把握する。
  • 組織への代表的な4つの働きかけ。戦略的働きかけ、技術・構造的働きかけ、人材マネジメントによる働きかけ、ヒューマンプロセスへの働きかけ(最も組織開発の特徴があるところ)。
  • OD実践者の関わり方。専門家モデル(必要な情報を提供、代わりに実行)、医師-患者モデル(気づいていない問題点を指摘)、プロセス・コンサルテーション・モデル(クライアントとの関係を築く)。
  • 日本の組織の隙間。戦略〜人的要因プロセス(ソフト)〜構造・制度(ハード)を縦軸、個人〜グループ(部署内)〜組織全体を横軸、とした時に、戦略×グループ〜人的要因×グループ〜人的要因×組織全体、に携わっている部門が少ない。