世界標準の経営理論(3)

第4部読了。

世界標準の経営理論

世界標準の経営理論

 

社会学ディシプリン

  • エンベデッドネス理論 = 社会的なつながり(アームスレングスなつながり、埋め込まれたつながり、ヒエラルキー上のつながり)のうち、埋め込まれたつながり(=人脈・社会ネットワーク)に関する法則、人・企業ともに適用可能 = 関係性の埋め込み(一度つながった関係は安定化しやすい)・構造的な埋め込み(つながっている相手の先ともつながりやすい)・位置的な埋め込み(多くのつながりを持つ人は有利になる)・埋め込まれたつながりでは意思決定スピードが早くなる・埋め込まれたつながりでは私的情報を交換しやすい、従来は埋め込まれたつながりは企業の境界内がほとんどであったが最近は企業を超えてきた
  • 弱いつながりの強さ(SWT)理論 = 弱いつながりはネットワークが希薄であるため多様な情報が遠くまでスピーティに伝搬するためイノベーションを呼び込む、逆に強いつながりはイノベーションを実践に落とし込む→応用:スモールワールド理論 = 6次の隔たり(参考:フェイスブックだと4.7次、SNSは弱いつながりを維持しやすい)
  • ストラクチャル・ホール(SH)理論 = 情報伝搬ハブの効能
  • ソーシャルキャピタル理論 = つながりは資本である = ブリッジング(既出の概念)・ボンディング(稠密)、ボンディングでは暗黙知が共有される、弱いつながりが起こりやすいデジタル時代のボンディング = SNSの特定コミュニティ・C2C・ブロックチェーン(相互オープン監視が技術的に可能)、これからはリアルでブリッジングをネットでボンディングを目指すことが成功につながるカギ
  • 社会学ベースの制度理論 = 合理性ではなく正当性で行動する(強制的圧力・模倣的圧力・規範的圧力)、多国籍企業は本社と現地との正当性の板挟みに合う→解決策:賄賂ではなくCSRで政府と関係(GR:Government Relation)を持つ非市場戦略・既存の常識に挑戦して破壊し塗り替えるインスティテューショナルチェンジ
  • 資本依存理論(RDT) = リソース(調達リソース・金銭的リソース・情報リソース・正当性リソース)の交換関係が組織間の交渉力→依存度が高い関係だと強弱が生まれる→対策:軽減・取り込み(協業)・吸収(買収)→最近の理論:依存の双方向性が強いと友好になりM&Aが起きやすく逆だと起きにくい
  • 組織エコロジー理論 = 超長期での企業の生死のメカニズム→派生:密度依存・年齢依存・捕食範囲・資源分割・社会ムーブメント・構造的イナーシアと組織変化・組織の形状と個体群・組織の多様性、長寿企業は規制に守られていたか生態系を移している
  • エコロジーベースの進化理論 = VSRS(Vairation・Selection・Retention・Struggle)メカニズム = Variation(多様性)が企業の進化を促す
  • レッドクイーン理論 = 競争すべきは競争相手ではない(鏡の国のアリスでの赤の女王のセリフ)= 切磋琢磨が進化を促す、逆に切磋琢磨が行き過ぎるとガラパゴス化して競争力を無くす→ライバルと競争せずに自身のビジョンと競争せよ