CFO思考――日本企業最大の「欠落」とその処方箋

先日読了。

良書。米国流のCFO(外国人投資家に向けて今後日本でもスタンダードになる姿)がわかる。

  • これからのCFOは、経理・財務担当役員というだけではなく、企業成長のエンジンを務める。投資家をはじめとする社外の多くの利害関係者に対して、会社を代表してエンゲージメントを行い、社内にはROEなどの資本論理に加えてESG投資や地域社会など、さまざまな利害関係者の期待を翻訳して伝え、それを踏まえた経営戦略をたて、実践するように組織に行動を促す。
  • よって従来の日本のCFOに見られた保守的な「金庫番思考」ではなく、冷徹な計算と非合理なまでの熱意=アニマルスピリッツを併せ持ち、企業成長のエンジンとなりパーパスを実現させる「CFO思考」が必要。オフィスの設定温度をガンガンに冷やすような判断が必要。
  • 2015年に東証コーポレートガバナンス・コードを制定。プリンシプルベース・アプローチかつコンプライアンス・オア・エクスプレイン方式。抽象的な原則だけを定めて、企業の自主性にまかせ、従わない場合は説明責任が発生するようにする。それをどう評価するかは投資家にまかせる。ソフトロー。法律を改正せずに、日本企業の統治のあり方を革命的に変えた。
  • 筆者はCFOとして、主として「グローバルM&A」「ターンアラウンド(経営改革による業績回復)」「サステナビリティ・ESG」を担当。
  • 担当領域は、経理、予算、税務、財務(負債)、財務(資本)、リスクマネジメント、DX、人的資本経営、コーポレートガバナンス、IR、経営戦略。
  • CFOへのキャリアとなるFP&A(Financial Planning & Analysis)。経営企画や事業部門企画と管理会計・予算業務が合体したイメージの領域。企画+財務、子会社社長や事業部門長と本社CFOへのダブルレポーティング。