戦略ごっこ―マーケティング以前の問題

 

良書。マーケティングの通説は実は否定されていることが多い。

  • 既存顧客維持が効率的なわけではない。
  • 20%の顧客が占める売り上げはせいぜい50〜60%である。
  • ヘビーユーザが購買頻度が高いのではなく、購買頻度が高い人をヘビーユーザとしていただけである。
  • 小さなブランドが一部のヘビーユーザで成り立っている、というのはまやかしである。
  • 購買する人の大半が、事前に購入意向を示さない。
  • 推奨意向(NPS)と将来の業績との間には、有意な相関はない。
  • 差別化はマージンを高めるアプローチ(水平的差別化)と、ボリュームを増やすアプローチ(垂直的差別化)がある。また既存顧客向け手法であり、新規獲得の手法ではない。また、差別化は、消費者から見て、明らかに異なる場合に機能する。
  • 大きなブランドほど価格弾力性が小さい(値上げの影響は受けない)。また主要競合の価格を超えるかどうかで、弾力性に大きな変化がおきる。
  • 価格プロモーションは既存顧客に影響し、価格感度を高めてしまう。
  • ブランドイメージは、マーケティングではなくシェアで決まる。薄く広く間口(CEP = Category Entry Point)を広く、がポイント。
  • ストーリーとしての納得感は、KPIにはならない。