歴史は「べき乗則」で動く――種の絶滅から戦争までを読み解く複雑系科学

本日読了。

歴史は「べき乗則」で動く――種の絶滅から戦争までを読み解く複雑系科学 (ハヤカワ文庫NF―数理を愉しむシリーズ)

歴史は「べき乗則」で動く――種の絶滅から戦争までを読み解く複雑系科学 (ハヤカワ文庫NF―数理を愉しむシリーズ)

面白い。互いに少しずつ関係している系は時間が経つと臨界状態になり崩壊する。その崩壊規模はべき乗則にのっとる。べき乗則が成り立っているとy=x^(-r)のような関係があり、縮尺を変えても自己同型な現象が起きる。
凍ったジャガイモが割れた時の破片の大きさなどの物理現象、地震、地滑り、森林火災などの自然現象、大量絶滅などの生命現象、金融市場暴落や科学技術発展、戦争などの人間社会現象、全てべき乗則が成り立つ。何桁もの規模の差がある現象同士の発生要因はほとんど差異が無く、現象発生時や発生直前に規模を予測することは不可能である。臨界状態で現象が発生するとまた別の臨界状態が生み出される。

ちなみに、3月読了の昭和史の感想で、バタフライ効果を読み取っていた。